海外赴任・海外帯同・帰国準備で迷わない。手続き・教育・暮らし・お金をわかりやすく案内します。ぜひブックマークしてご活用ください。

海外赴任と住宅ローン控除の基礎知識|海外転勤で控除はどうなる?

海外赴任が決まると、ビザや引越し、子どもの学校準備など多くの手続きが必要になります。その中で見落としがちなのが、**住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)**です。

「海外へ転勤したら住宅ローン控除は受けられなくなる?」
「自宅を貸し出した場合はどうなる?」
「帰国したらまた控除を受けられる?」

このような疑問を持つ方は少なくありません。

住宅ローン控除は「自分が住む住宅」が対象となる制度ですが、会社の命令による海外赴任には特例が設けられています。制度を正しく理解し、出国前に必要な手続きを行っておくことで、帰国後に再び控除を受けられる場合があります。

この記事では、海外赴任と住宅ローン控除の基本的な仕組みや、出国前に確認しておきたいポイントをわかりやすく解説します。


Menu

住宅ローン控除とは?

住宅ローン控除とは、住宅ローンを利用して住宅を購入・新築・増改築した場合に、一定期間、所得税や住民税の負担を軽減できる制度です。

住宅取得を支援するための制度であるため、主な要件として次のような条件があります。

  • 自分が居住する住宅であること
  • 一定期間以上の住宅ローンを利用していること
  • 所得などの要件を満たしていること

つまり、「自分が住んでいる住宅」であることが大前提です。そのため、海外赴任によって居住しなくなる場合は、住宅ローン控除の取り扱いも変わります。


海外赴任で住宅ローン控除が変わる理由

住宅ローン控除は「居住」を条件としているため、海外赴任によって住宅に住まなくなると、原則として控除を受けることができません。

しかし、海外赴任は会社からの辞令によるやむを得ない事情であるため、一定の条件を満たせば帰国後に控除を再開できる制度があります。

大切なのは、

  • 誰が住宅に住み続けるのか
  • 帰国後に再び住む予定があるか
  • 出国前に必要な届出を行っているか

の3点です。


ケース別に見る住宅ローン控除

ケース① 単身赴任で家族が住み続ける場合

本人のみ海外赴任し、配偶者や子どもが引き続き日本の自宅に住み続けるケースです。

この場合は、一定の条件を満たせば住宅ローン控除を継続できる可能性があります。

例えば、

  • 会社の命令による海外赴任である
  • 家族が引き続き居住している
  • 帰国後は再び同じ住宅に住む予定がある

などが判断材料になります。


ケース② 家族全員で海外赴任する場合

家族全員で海外へ転居し、自宅に誰も住まなくなる場合は、住宅ローン控除は原則として受けられません。

これは、

  • 空き家にする場合
  • 定期借家として貸し出す場合
  • 親族に管理をお願いする場合

でも基本的な考え方は同じです。


ケース③ 自宅を賃貸に出す場合

海外赴任中、自宅を貸し出す家庭は多くあります。

この場合、海外赴任中は住宅ローン控除を受けることはできません。

しかし、会社の転勤などやむを得ない事情で海外赴任している場合は、帰国後に再び自宅へ住むことで、残っている控除期間について住宅ローン控除を再適用できる可能性があります。

「貸したら控除は完全になくなる」というわけではありません。


帰国後に住宅ローン控除を再適用できる?

帰国後に再び住宅へ住み始めた場合は、一定の条件を満たすことで住宅ローン控除を再適用できます。

ただし、注意したいのは控除期間が延長されるわけではないという点です。

例えば、

  • 控除期間13年
  • 海外赴任3年

だった場合でも、帰国後に新たに13年間受けられるわけではありません。

残っている控除期間のみが対象になります。


出国前に必ず確認したいこと

1. 税務署への届出

帰国後に住宅ローン控除を再適用するためには、出国前に税務署へ必要な届出を提出する必要があります。

提出を忘れると、帰国後の手続きが複雑になることもあるため、海外赴任が決まったら早めに確認しましょう。


2. 金融機関へ相談する

住宅ローン契約は、多くの場合「自己居住用住宅」であることを前提としています。

海外赴任中に住宅を貸し出す場合は、

  • 賃貸利用が認められるか
  • 手続きが必要か
  • 金利条件に変更はあるか

などを金融機関へ確認しておきましょう。

無断で賃貸すると契約違反となる可能性もあります。


3. 管理会社へ相談する

海外赴任中は、自宅の管理方法も重要です。

賃貸に出す場合は、

  • 定期借家契約
  • 普通借家契約

どちらが適しているかを管理会社と相談しましょう。

海外赴任では、帰国時に自宅へ戻りやすい定期借家契約を選ぶ家庭が多く見られます。


住宅ローン控除と住宅ローン契約は別の制度

意外と勘違いされやすいのが、この点です。

住宅ローン控除は税金の制度です。

一方、住宅ローン契約は金融機関との契約です。

税務上問題がなくても、

  • 金融機関への届出
  • 賃貸の承諾

が必要になる場合があります。

税務署だけでなく、金融機関への確認も忘れないようにしましょう。


出国前チェックリスト

海外赴任前に、次の項目を確認しておきましょう。

  • □ 家族は日本に残るか、帯同するか決めた
  • □ 自宅を空き家・賃貸・売却のどれにするか決めた
  • □ 住宅ローン契約書を確認した
  • □ 金融機関へ相談した
  • □ 税務署への届出が必要か確認した
  • □ 帰国後に再び住む予定があるか整理した
  • □ 管理会社へ相談した

よくある質問

海外赴任中も住宅ローン控除は受けられますか?

家族全員で海外へ転居する場合は、原則として受けられません。

一方で、単身赴任で家族が引き続き自宅に住む場合は、一定の条件を満たすことで控除を継続できる場合があります。

自宅を貸したら住宅ローン控除は終了しますか?

海外赴任中は原則として控除は停止します。

ただし、会社の転勤などやむを得ない事情であれば、帰国後に再び住み始めることで、残っている控除期間について再適用を受けられる可能性があります。

控除期間は延長されますか?

いいえ。

海外赴任期間分だけ控除期間が延長されることはありません。

残っている控除期間のみが対象となります。


まとめ

海外赴任では、住宅ローン控除の取り扱いが通常とは異なります。

特に確認したいポイントは次の4つです。

  • 単身赴任か家族帯同かによって取り扱いが変わる
  • 家族全員が海外へ転居する場合は、原則として赴任中の控除は受けられない
  • 帰国後は条件を満たせば残りの控除期間について再適用できる可能性がある
  • 出国前に税務署・金融機関・管理会社へ相談しておくことが重要

海外赴任は住宅だけでなく、税金やローン契約にも影響します。制度は住宅の取得時期や個々の事情によって適用条件が異なるため、疑問がある場合は税務署や税理士、金融機関へ早めに相談しておきましょう。


あわせて読みたい

  • 海外赴任で自宅を賃貸に出すときの注意点|住宅ローン・税金・管理会社のポイント
  • 海外赴任前にやること一覧|渡航準備チェックリスト
  • 海外赴任中の確定申告|必要な手続きと注意点

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
Menu