海外生活では、慣れない環境や気候の変化から体調を崩したり、子どもの急な発熱やケガで病院を受診したりすることがあります。
しかし、海外の医療制度は日本とは大きく異なります。
日本では「具合が悪くなったら近くの病院へ行く」という流れが一般的ですが、海外では予約が必要だったり、専門医を受診するために紹介状が必要だったりと、受診までの流れが全く違うことも珍しくありません。
実際に海外生活を始めてから、
- 思ったより医療費が高かった
- 日本語が通じず症状を説明できなかった
- 保険が使えると思ったら立て替えが必要だった
- 子どもの予防接種記録が必要になった
という経験をする家庭も少なくありません。
海外で安心して暮らすためには、渡航前の医療準備がとても重要です。
この記事では、海外で病院にかかる前に知っておきたいポイントを詳しく解説します。
海外の医療制度は日本と大きく異なる
まず知っておきたいのは、医療制度そのものが日本とは異なるということです。
日本では、
- 体調が悪い
- ケガをした
- 気になる症状がある
といった場合に、比較的自由に病院や専門医を受診できます。
一方で、多くの国では「家庭医(かかりつけ医)」が医療の窓口となっています。
例えば、
- まず家庭医を受診
- 必要に応じて紹介状を発行
- 専門医を受診
という流れです。
また国によっては、
- 完全予約制
- 数日〜数週間待ち
- 専門医は数か月待ち
というケースもあります。
日本の感覚でいると戸惑うこともあるため、渡航前に現地の医療制度を調べておくことをおすすめします。
医療保険の内容をしっかり確認する
海外生活で最も重要な準備の一つが医療保険です。
国によっては医療費が非常に高額になります。
例えばアメリカでは、
- 救急外来
- CTやMRIなどの検査
- 入院
- 手術
によって数十万円から数百万円の費用が発生することもあります。
そのため、渡航前に加入している保険の内容を必ず確認しましょう。
確認しておきたいポイント
- 外来診療は補償対象か
- 入院費用は補償されるか
- 救急搬送費用は対象か
- 妊娠・出産は対象か
- 歯科治療は対象か
- 子どもの治療費は対象か
- メンタルヘルスの受診は対象か
- 日本への医療搬送費は対象か
補償内容は保険会社やプランによって大きく異なります。
「加入しているから安心」と思わず、実際にどこまで補償されるのか確認しておくことが大切です。
キャッシュレス診療が利用できるか確認する
海外の病院では、受診時に高額な支払いを求められる場合があります。
そのため、保険会社が提携している病院を事前に確認しておきましょう。
提携病院であれば、
- 保険会社が病院へ直接支払う
- 自己負担が発生しない
- 立て替え不要
となるケースがあります。
一方で提携外の病院では、
- 自分で支払う
- 領収書を保管する
- 帰国後または後日保険会社へ請求する
という流れになることもあります。
病院を探す前に、保険会社のサポートデスクへ連絡する習慣をつけておくと安心です。
日本語対応の病院を調べておく
海外生活では、体調不良のときほど言葉の壁を感じます。
例えば、
- 症状を説明する
- 病歴を伝える
- 検査内容を理解する
- 薬の説明を受ける
といった場面で、十分に意思疎通ができないと不安になります。
そのため、渡航後は早めに
- 日本人向けクリニック
- 日本語通訳がいる病院
- 日本語対応可能な医師
を調べておくことをおすすめします。
大使館や領事館、日本人会、補習授業校などで情報を得られることもあります。
常備薬は余裕をもって準備する
海外では、日本で普段使用している薬が手に入らないことがあります。
また、同じ名前の薬でも成分や用量が異なる場合があります。
特に子育て家庭では、
- 解熱剤
- 風邪薬
- 胃腸薬
- 整腸剤
- 虫刺され薬
- アレルギー薬
- 絆創膏
などを準備しておくと安心です。
持病がある場合は、
- 英文診断書
- 英文処方箋
- 薬の成分一覧
を準備しておくと現地での受診がスムーズになります。
子どもの予防接種記録は必ず保管する
子どもがいる家庭では、予防接種記録の管理も重要です。
海外では、
- 現地校への入学
- インターナショナルスクールへの転校
- サマーキャンプ参加
などで予防接種証明書の提出を求められることがあります。
また帰国後も、
- 学校への提出
- 医療機関での確認
に必要になる場合があります。
母子手帳だけでなく、
- 接種記録のコピー
- スマートフォンでの写真保存
- PDFデータ化
もおすすめです。
子どもの救急受診先を確認しておく
海外生活では、子どもの急な発熱やケガが特に心配です。
しかし夜間や休日は、
- 小児科が開いていない
- 救急病院が限られる
- 予約が必要
ということもあります。
渡航後はできるだけ早い段階で、
- 小児科
- 救急外来
- 夜間診療施設
を確認しておきましょう。
スマートフォンの地図アプリに登録しておくと、いざという時に役立ちます。
救急車を呼ぶ前に知っておきたいこと
日本では救急車は無料ですが、海外では有料の国もあります。
国によっては、
- 数万円〜数十万円の請求
- 保険適用外
となる場合もあります。
また、地域によって救急番号も異なります。
渡航後は、
- 現地の救急番号
- 保険会社の緊急サポート
- 勤務先の担当部署
を家族で共有しておくと安心です。
医療英語を少しだけ準備しておく
日本語対応の病院がない地域もあります。
そのため、最低限の医療英語を知っておくと安心です。
例えば、
- I have a fever.
(熱があります) - I have a headache.
(頭痛があります) - My child has a cough.
(子どもが咳をしています) - I am allergic to penicillin.
(ペニシリンアレルギーがあります)
こうした表現をスマートフォンに保存しておくだけでも役立ちます。
海外生活では「病気になる前の準備」が大切
海外での医療は、日本のように気軽に受診できるとは限りません。
だからこそ、
- 保険内容を確認する
- 提携病院を調べる
- 日本語対応病院を把握する
- 常備薬を準備する
- 予防接種記録を保管する
- 緊急連絡先を家族で共有する
といった事前準備が大切です。
病気やケガはいつ起こるかわかりません。
渡航前に医療面の準備を整えておくことで、海外生活の安心感は大きく変わります。
まとめ
海外で病院にかかる際は、日本とは異なる医療制度や受診方法に戸惑うことがあります。
特に子育て世帯の場合は、急な発熱やケガへの備えも欠かせません。
渡航前に医療保険や病院情報を確認し、必要な記録や常備薬を準備しておくことで、万が一の際にも落ち着いて対応できるようになります。
海外生活を安心してスタートするために、医療の準備も早めに進めておきましょう。









