海外赴任や留学、駐在帯同などで長期間海外に滞在していた方が日本へ帰国した際、忘れずに行いたい手続きのひとつが健康保険への加入です。
日本では国民皆保険制度が採用されており、原則としてすべての人が何らかの公的医療保険に加入する必要があります。帰国後すぐに就職する場合は勤務先の健康保険に加入することになりますが、就職まで期間がある場合や自営業として働く予定の場合は、国民健康保険への加入手続きが必要になるケースが多くあります。
この記事では、帰国後の国民健康保険の手続きについて、加入対象者や必要書類、保険料の考え方などを詳しく解説します。
国民健康保険とは?
国民健康保険(国保)は、市区町村が運営する公的医療保険制度です。
会社員や公務員が加入する健康保険とは異なり、自営業者やフリーランス、退職者、無職の方などが主な加入対象となります。
国民健康保険に加入すると、病院やクリニックで診療を受けた際の自己負担額が原則3割となります。また、高額療養費制度や出産育児一時金など、公的医療保険ならではの各種制度も利用できます。
帰国直後は環境の変化や長旅の疲れから体調を崩すことも少なくありません。万が一の医療費負担を軽減するためにも、帰国後はできるだけ早く加入手続きを済ませておくことが大切です。
帰国後に国民健康保険への加入が必要な人
帰国後の状況によって、加入する保険制度は異なります。
一般的に、以下のような方は国民健康保険への加入が必要になります。
- 就職予定がなく無職の状態である
- 勤務先の健康保険に加入していない
- 配偶者や家族の扶養に入らない
- 個人事業主やフリーランスとして働く予定
- 退職後に帰国した
一方で、帰国後すぐに会社へ入社する場合は、通常勤務先で健康保険の加入手続きが行われます。また、配偶者の健康保険の扶養に入る場合は国民健康保険への加入は不要です。
どの保険制度に加入するべきか分からない場合は、市区町村役場や勤務先へ確認すると安心です。
まずは住民票の登録を行う
国民健康保険の加入手続きを行う前に、海外転出していた方は住民票の再登録が必要です。
日本へ帰国して生活の拠点を置く場合は、居住地の市区町村役場で転入届を提出します。
一般的には、
- 転入届を提出する
- 住民票を登録する
- 国民健康保険の加入手続きを行う
という流れになります。
自治体によっては転入手続きの際に国民健康保険窓口へ案内され、その場で加入手続きを進められることもあります。
手続きはどこでする?
国民健康保険の加入手続きは、住民票を登録した市区町村役場で行います。
窓口の名称は自治体によって異なりますが、
- 国民健康保険課
- 保険年金課
- 市民課
などで対応していることが一般的です。
最近では一部自治体でオンライン予約や電子申請に対応している場合もありますが、多くの場合は窓口での手続きが必要です。
事前に自治体のホームページを確認しておくとスムーズでしょう。
一般的な必要書類
必要書類は自治体によって異なりますが、一般的には以下のようなものが求められます。
- パスポート
- 本人確認書類
- マイナンバーカードまたは通知カード
- 転入届提出後の住民登録情報
- 世帯主の情報
- 在留期間を確認できる書類(外国籍の場合)
家族全員で加入する場合は、家族それぞれの本人確認書類やマイナンバー情報が必要になることがあります。
また、自治体によっては追加書類を求められる場合もあるため、事前にホームページで確認することをおすすめします。
保険証はいつ受け取れる?
加入手続きが完了すると、資格確認書や健康保険証に代わる書類が交付されます。
近年はマイナンバーカードを健康保険証として利用する「マイナ保険証」の利用が進められているため、自治体によって対応方法が異なります。
手続き当日に交付されるケースもあれば、後日郵送となるケースもあります。
病院を利用する予定がある場合は、窓口で受け取り方法を確認しておきましょう。
保険料はどのように決まる?
国民健康保険料は全国一律ではなく、市区町村ごとに計算方法が異なります。
一般的には以下の要素をもとに算出されます。
- 前年の所得
- 世帯人数
- 加入者の年齢
- 自治体ごとの保険料率
海外から帰国した場合、前年の日本国内所得がないケースもあります。その場合の取り扱いは自治体によって異なるため、窓口で確認することが重要です。
また、所得状況によっては保険料の軽減制度や減免制度を利用できる場合があります。
加入が遅れた場合はどうなる?
帰国後すぐに手続きを行わなかった場合でも、加入資格が発生した時点までさかのぼって保険料を請求されることがあります。
そのため、「病院に行く予定がないから後で手続きしよう」と考えていると、後からまとめて保険料を支払うことになる可能性があります。
また、未加入期間中に医療機関を受診した場合、一時的に医療費を全額自己負担しなければならないケースもあります。
帰国後はできるだけ早めに手続きを済ませるようにしましょう。
海外旅行保険との違い
海外赴任中や留学中に加入していた海外旅行保険は、海外滞在中の病気やケガに備えるための保険です。
そのため、日本へ帰国して生活を再開した後の医療保障を目的としているわけではありません。
帰国後は海外旅行保険だけでは十分な保障を受けられない場合があるため、日本の公的医療保険への加入が必要になります。
特に長期帰国後は住民登録や健康保険の手続きをセットで進めることが大切です。
まとめ
海外生活を終えて日本へ帰国したら、住民票の登録とあわせて健康保険の加入状況を確認しましょう。
勤務先の健康保険に加入しない場合や家族の扶養に入らない場合は、国民健康保険への加入が必要になります。
国民健康保険に加入することで、医療費の自己負担を軽減できるだけでなく、高額療養費制度などの公的保障も利用できます。帰国後の生活を安心してスタートするためにも、転入手続き後は早めに自治体窓口で加入手続きを行いましょう。
